紙風船を日々稽古している。
稽古する度に発見がある素晴らしい戯曲だ。
・夫婦は常日頃退屈な日常を送っていてぼやいている。
・創造の中でのごっこ遊びという冒険の旅に出かけ、最後にはお互いの存在も認め合い、次元が上昇して最初と同じ立ち位置に戻ってくる。
・欲望を常に満たすように迫られる資本主義社会の中で如何に私達は豊かに暮らせるのか。
・足るをしる。真の豊かさとは何か。など現代社会に問いかけてくるものは多い。
最後に参加者のコメントを紹介したいと思う。
「①今日は身体に助けられました。(そういう感覚が掴めました。)新聞の懸賞募集から「だから女学生だよ」に向かっていくくだりでテンションマックスになるのが苦しかったところ、、、てるさんにご指摘いただいて、楽譜のクレッシェンドに向かっていくときの弓の使い方・身体の動かし方・そこに向かい始めるタイミングをイメージしたら、「問題はなんていうの?」の時点で身体が動き出し、膝立ちで夫の次の言葉に興味津々な自分がいて、自然と火に薪がくべられていく感じがしました。今日はご指摘の通り気分がなんとなく落ち込んでいる日…で、どこまで自分が前回からの延長で次の段階にいけるか、練習前は不安でした。でも、「身体を動かすことで気持ちや考えがついてくる。」その感覚を掴めたことで、ひとつ小さい自信がつきました。1円でもいただいたらプロと初日にてるさんがおっしゃっていましたが、プロ意識で安定した質の演技、ふちと一緒につくっていきたいです。
②最後の向き合うシーン。「もっと深い」の「深さ」がどこから出てくるのか迷子だな〜と思っていたところに、「夫の話を”どう”聞くか、だ」と教えていただき、そうか、と。やってみたら自分の中でハマった感覚がありました。今まで、「深い」=「切なさ、悲しみが溢れてくる感じ」だと思っていたのですが、それはふちを聞いてない自分が1人でつくっていたストーリーで、”今”夫の話を真剣に聞いている妻の中には、芯のある強さが湧き上がるのを感じました。本心・核心に迫る覚悟というか。そこから出た「あなたはバカよ」のトーンに、今までのフワッと笑顔で女学生風に明るく振る舞う妻の姿が1ミリもないことに驚きましたが、同時に「これだな」という感覚もありました。」