戯曲と向き合う

俳優は戯曲と向き合わなければなりません。

もし、戯曲がなかったらどうなるか?

インプロという速攻演劇もありますが、あれでさえお題が与えられており、お題を元にその場で作品を作って行ったりします。

戯曲はいわゆる設計図となるもの。

それを元にスタッフであれ演者であれ演出家であれ、全てが動き出します。

俳優にとっては戯曲をどう分析して表現するか、と言うことが重要です。

戯曲を分析するにはロジックが大事です。いわゆる台本分析です。演劇であれ映画であれ、作られたものなので必ず終わりがあります。

終わりに向かって物語は進んでいきます。

演じるには終わりから逆算して表現する逆算思考が大事になってきます。

例えばロミオとジュエットは悲劇的な終わりになることがわかっています。その悲劇性を活かすためには落差を付けるために二人の幸福なシーンを作らなければなりません。幸福度が大きければ大きいほど悲しみは大きくなります。

ただそれが分かっただけでは表現できません、それは単に論理的に分析出来ただけです。

俳優は身をもってそれを表現しなければなりません。

それが感性です。

戯曲を分析する論理能力とそれを表現する感性が俳優には必要だと言うことです。